2週間くらい前、私の応援しているアイドルがグループを卒業した。一世一代の大イベントだったので、ファンたちもとてもバタバタとした。
話し合いを重ね、各々の仕事の状況とか見つつ、助け合いながら卒業おめでとう冊子をつくった。ようやく入稿完了したとき、PDFを眺めながら思ったことがある。
なんていうか、イカれてる。クオリティが。
普通に金が発生するレベル。
関わった人が全員アクセル爆・全開にして担当ページを作ったんだと思う。全ページ、圧が強い。流しでつくったページが1ページも見当たらない…。
なんでこんなにみんな頑張っているのだろう…と私は思った。
もちろん好きなアイドルの卒業を祝うために頑張るのはいいことだ。
でも、この冊子は本人に渡されるだけで基本的に公開されないし、全員仕事・通学の傍ら、無償でやっていることだ。
こんなに心血注ぐことなのか。
アイドルにもよると思うのだが、彼女(卒業するアイドル)のファンの作るものって元々クオリティが変態で、生誕祝いも、イベントの時にファン同士が交流のためにつくるシールとかも、「売り物?」ってレベルのものが多い。
でももちろん売り物じゃない。生誕祝いは一夜で役目を終えるし、ファン同士で交換するグッズも「ありがとう」の応酬のみ…。これらすべて「好き」という感情から作ってるんだと思うと、舌を巻く他ないですよね。
私自身は、今回なぜこんなに頑張れたのかというと
・好きなコンテンツ(アイドル)のデザインだから単に作るのが楽しい
・他の作り手が全員ハイクオリティなのは予想がつくので、自分だけ手抜きして後で後悔したくない
・彼女(卒業するアイドル)はたぶんこの冊子を折に触れ手に取ってくれるだろうから、その時に恥じないものを作りたい
などの気持ちから頑張ってしまった。めちゃくちゃ疲れた。
金ではなく、愛と尊厳で成り立つクリエイティブ。すごい。
仕事の時は汚い原稿に苛つきながら1番楽に見栄え良くできる方法だけを探してやってるのに、こんなに力が出る自分にひいた。
「好きを仕事にすべき」とかそういう話ではないけど、有償無償、有名無名関係なく力が爆発していいものができることってあるんだなと思った。ものをつくる尊さ(狂気にちかいけど)ってきっとそこにあるんだなと思った。
この前「いただきじゃんがりあんR」という脱衣麻雀ゲーのOPを夫と見てたのだが
「このOP作った人って、イラスト素材とか全く準備されてなくて、キャラクターの設定画だけ渡されて作ったんだって」
と聞いてびっくりした。そのOPはめちゃ動くし、イラストもかわいいし、すごく工夫されてることが素人目にも分かった。
これは仕事だからまた事情が違うけど、設定画だけ渡されて「作れないですよ」「もっと素材ください」とかって突っ返すとかじゃなく、創意工夫で爆クオリティのもの作るのって、すごい。見返りとか効率を度外視して良いものが作られる。すごいことですよ…!
学生のときは「もの作るのってこんなにしんどいんだ。手抜きするとすぐバレるしな。やめときゃよかったかな…」と思うことも多かったけど、ようやく醍醐味?のようなものが知れてきた気がする。嬉しい。アイドルに学ばされてばっかりだな。
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